JUGEMテーマ:自分が読んだ本
「男性漂流 男たちは何におびえているか」
著者は奥田祥子、講談社+α新書である。
男としてタイトルに魅かれた。
目次には、結婚がこわい、育児がこわい、介護がこわい、老いがこわい、仕事がこわいと、共感できそうなものが多い。
婚活、イクメン、ケアメン、アンチエイジング、成果主義がそれぞれあてはまるキーワードである。
これらはマスコミで言われ続けている言葉である。
どちらかといえば賛美されている言葉。ただ、個人的にはこういう言葉は嫌いだ。
それぞれの個人的性質、家庭での立場、働き方など、状況の違いがあるのに、価値観を無理やり押し付けてくる感じ。
自分はこういった言葉に流されずに自分の感じた、信じた方法でやり、生きていきたいと思っている。
けれども、連日言われ続けるこれらの言葉に少なからず影響を受けてしまっていることはあると思う。残念ながら。
本の内容としては、や社会から強制されるモデルになろうとして懸命に努力している中年男性が、徐々に疲弊していくという姿を追ったものである。最後にはそんな押しつけを受け入れることは意味の無いことで、自然にやっていくことなんだと気付いていくんだけれども、その過程を読んでいると涙が出そうになる。
書いてる内容は、目次にある項目のみでなく、それ以外の社会的脅迫にもいえることだと思う。また、男性だけでなく女性にもいえることだと思う。
あらためて、批判的態度によって自分の考え方をしっかりと持つことは重要だと感じる。